PTA総会の委任状の有無は、名簿に書き込んではいけない。いい加減に数えよう。

PTA総会って、株主総会のまねごと?

引っ越す前の学校では、PTA総会がなかったような気がする。PTA会費を払った記憶もない。PTAの楽な学校だった。

前の学校のつもりで、油断してたら、PTA副会長になっていた。この学校では、PTA副会長は4人。

ゴールデンウィークに、PTA総会の委任状の集計の仕事を頼まれた。PTA副会長2人で、集計することになったけれど、2人もいらなかった。

 

この集計の仕事を一緒にしたAさんは、2回目のPTA役員なので、威張っていた。完璧主義?で、面倒くさい人なので、一緒に仕事をしたくなかった。

PTA総会の委任状に、保護者の名前が書いてなかったり、印鑑が押されていなかったり、不備がある書類が多かった。

「こんな、いい加減な委任状は許せない」などと、Aさんは怒っていた。

「印鑑が押してないから、保護者に差し戻す」などと、とんでもないことを言っていた。説得しなかったら、本気でやるところだった。修正した委任状が帰ってくる頃には、PTA総会は終わっていたと思う。

PTA三役→担任→小学生→保護者→小学生→担任→ PTA三役

 

株主総会の成立要件が過半数だから、たぶんPTA総会の成立要件も過半数のはず。

この学校では、7・8割の人が委任状を出しているから、全クラスの委任状を調べる必要がなかった。しかし、Aさんを説得できなかった。

それで、副校長先生をパシリにしてしまった。「0年0組、0年0組、0年0組、0年0組の委任状がありません」と、副校長先生に言ったら、走り回って集めてくれた。フットワークの軽い人だった。

その前に、「PTA会室の鍵は?」「委任状は?」「名簿は?」と、何度も副校長先生のところに行ってしまった。

 

コピーした名簿に、委任状の有無を、いちいち書き込んだせいで、2時間以上かかってしまった。

PTA総会の委任状の数なんて、だいたい、おおよその数が分かればいいのに、無駄な仕事をしてしまった。それに、PTA総会で、委任状の数なんて発表されなかったし、どこにも使われなかった。PTA総会の委任状の集計は、私1人だったら、10分で終わったと思う。

 

「PTA総会の開催に問題はありませんか」と副校長先生に質問されたので、「PTA総会の委任状が過半数を超えているので、PTA総会の成立要件は満たしています」と答えた。私の隣で、Aさんは、何故か震えていた。

副校長先生は、親切で優しいのに、どこが怖いのか、逆に驚いた。Aさんは、PTA役員の前では、堂々としていて、リーダー的存在なのに、副校長先生の前では、まったく、しゃべれない人だった。

 

PTA会室にPTA会則はなかったし、自分のPTA会則も捨ててしまったので、家に帰ってから、一応ネットで、PTA総会の成立要件を確認した。

この学校のPTA会則は、条文の前後で矛盾しているし、条文の番号も間違っている。日本語も少し、変だった。

条文を改正するときは、矛盾がないように、関連する部分を全部書き換えなくてはいけないのに、一部分しか書き換えてなかった。法律を勉強したことがない人がPTA会則を書き換えて、推敲してくれる人もいなかったとしか思えない内容だった。

 

PTAと違って、株式会社は、利益と税金を優先しているので、株主総会の委任状なんて、いちいち時間をかけて数えていないし、株主総会の成立をしやすくするために、定足数を過半数から3分の1に緩和している会社もある。

 

PTAは、何であんな無駄なことをしなくてはいけないのか考えてみた。そして、わざわざ名簿に、委任状の有無を記載させたのは、カモフラージュだったかもしれないと気がついた。

あの名簿には、住所も電話番号も載っていた。

副校長先生に「すぐ返してくださいね」と言われたので、職員室でコピーして、すぐに返した。

Aさんは、私に名簿を取りに行かせた。Aさんは、コピーした名簿を再度コピーしていた。

私はPTA役員になって、20日も経っていなかったので、「コピーするのは、よくないですよ」なんて言えなかった。「欲しい?」と聞かれて、「いりません」としか言えなかった。Aさんの性格からして、大勢に名簿を配ったと思う。

PTA役員の任期が終わった後、市役所の職員に、このことを報告した。たぶん、次の年からは、名簿の流出はなくなったと思う。

 

この学校では、PTA総会は、ただ、台本通りに動くだけで、やる意味があるとは思えない。

PTAの厳しい学校では、子供1人にPTA役員を1年やらなくてはいけないシステムで、3年以上、PTA役員を経験した人は滅多にいない。

2年目の人も、他のPTA役員の仕事は、知らないし、質問されても答えられない。

ほとんどの人が、PTA役員になって、1ヵ月も経っていないから、何も分からないので、台本通りに動くしかなかった。

PTA総会も株主総会も似ているけれど、中身は全然違う。

PTA総会は、単なる演劇? ごっこ?

株主総会は、株主への報告によって株価が変動するから、真剣さが違うし、一般株主の馬鹿みたいな質問にも、しっかりと答えていた。

株主総会のように質問されても、PTA役員では、質問に答えられる人が、ほとんどいない。

質問するんだったら、校長先生や市役所の職員じゃないの?

校長先生のところに行く場合は、PTA役員が集団で行かなくてはいけないと、勘違いしてる人たちもいるけれど、1人で行った方がいい。

集団だと、他の人がどのように動くか分からないし、ちょっとした微調節が難しい。それに集団で行くのは、時間がかかりすぎる。

何かやってもらいたかったら、文章を書いて、市役所の教員人事に持っていくと、やる気のない態度を取られるかもしれないけれど、ちゃんと仕事をしてくれた。

市役所や校長先生に提案してみたら、掃除もイベントの手伝いも、PTA役員ではなく、学生がすることになった。給食も美味しくなった。図書室に漫画も置いてくれた。保健室も癒しの空間に変わった。サークルもたくさん作られ、学校施設を利用する人も増えた。その他、いろいろ。

PTAは立派に見えるけれど、責任のある仕事など、させてもらっていない。

2回目のPTA役員の時は、PTA総会は欠席した。私が積極的にPTAを休んだので、PTAを休む人が多くなり、PTAの仕事がほとんどなくなってしまった。

市役所や校長先生に提案してみたら、楽しい学校に変わった。

めでたし、めでたし。