PTA会長を「くじ引き」で選ぶ? 保護者会を休んだらPTA三役にさせられてしまった。

「今年はPTA役員は絶対に無理なので、来年やります。」という約束だったのに、保護者会を欠席したら、PTA三役にさせられてしまった。今度はいきなり「くじ引き」で、PTA会長にさせられそうになった。

どうやって、そのくじ引きを阻止し、PTA会長が簡単に決まる学校に変えたかを説明する。

 

 4月上旬の平日、au電話の設置・ガスの点検・電圧の変更を、1日で済ませようとした。たまたま、その日がPTA役員を決める保護者会の日になった。3つの業者を断るのは面倒なので、保護者会を欠席することにした。

本年度ではなく来年度に、PTA役員をやる約束だったので、大丈夫だろうと思って保護者会を欠席したら、今年度のPTA三役にさせられてしまった。「今年は絶対に無理」と、みんなに言ったはずなのに。

私をPTA三役にした人が誰かは知らない。「鈴木さんがPTA三役になりました」と、いきなり電話がかかってきた。私に電話をかけてくる人は、真面目で責任感が強く、仕事を断らない人が多いかった。PTAでは、仕切っている人は文句を言われたくないのか、他の人に電話をかけさせていた。だから、質問すら する気になれなくて、「わかりました」と、一言しか言えなかった。前回は、PTA副会長をしていて、ごっそりとPTAの仕事を減らしたので、私にかなり期待をしている人たちがいたと思う。

 

4月中旬の土曜日、朝10時から、PTA役員全員出席の会議があった。

本年度のPTA役員36人(6年× 2クラス× 3人= 36人)、前年度のPTA役員12人、校長先生・副校長先生・主任の先生の計51人が出席した。

校長先生の挨拶と前年度のPTA役員さん達の説明があった。ちょうど1時間後、校長先生たちは職員室に帰り、PTA三役は別室に移動した。それ以外の人たちは、委員会を決めるのに残った。PTA三役以外は、12時前には家に帰れた。

PTA三役になった人たちは、他の人たちの1時間前、朝8時半に集合させられた。暇だったのでお互いに自己紹介をした。わざわざ朝早く来させたのは、疲れさせて、7時間後のPTA会長のくじ引きの時、判断力を低下させ、反撃させない作戦だった。毎年、3月までにはPTA会長が決まっていたのに、本年度は決まっていなかった。

とにかく暇だったので、そばに座っている人たちに笑顔で「はじめまして、5年◯組の鈴木です」と挨拶をしまくった。こちらが笑顔で挨拶をすると、笑顔で返事を返してくれる人もいるけれど、すぐに無表情になった。まるで お葬式のようだった。

51人の中で、幸せそうな顔をしているのは、私と校長先生しか いなかった。みんな、不幸そうな顔をしていた。

朝8時半の集合だったので、午前中に終わると思って、朝食を食べてこなかった。

普段なら「さっさと決めて、帰りましょう」と、急かすけれど、今回は目立つと、PTA会長にさせられるかもしれないので、黙っていた。おとなしくしていたら、昼の1時ぐらいまで、前年度のPTA三役の人たちに、くだらない話を聞かされられた。やっと本題に入るかと思ったら、私たちの目の前で、前年度のPTA三役の4人は、高級そうなサンドイッチをおいしそうに食べ始めた。前年度のPTA会長は、うらやましいでしょうという顔で食べていた。今でも あの顔を思い出せる。何を食べていたのかも覚えている。20時間も何も食べていなかったので、お腹がすいてイライラした。わざと人から憎まれることをやる頭の悪さに驚いた。

食べ終わった後、前年度のPTA会長から、PTA三役の中から、本年度のPTA会長を選ぶように言われた。それで、1人づつ自分たちがPTA会長をできない理由を言わさせられた。

「今年はPTA役員は絶対に無理なので、来年にPTA役員をやる約束だったのに、保護者会を欠席したら、PTA役員にさせられてしまいました。ですから、PTA会長なんて無理です。」と、2回も同じことを、みんなの前で言った。疲れさせるために、PTA会長を できない理由を1回だけではなく、2週目も言わさせられた。

2時間も にらみ合いをした。

かなり疲れたところで、いきなり、前年度のPTA会長に「これから、くじ引きでPTA会長を決めます」と言われた。

12分の1の確率で、PTA会長になるかもしれない。やばい、まったく考える時間がない。どうしよう、とにかく、しゃべらなくては。

「ちょっと よろしいでしょうか。PTAとは、Parent Teacher Association の略で、PはParent、TはTeacher。P側が誰もPTA会長になれないようでしたら、T側の先生・事務員・用務員・スクールカウンセラーの先生などに、PTA会長をやっていただけないか聞いてみてはいかがでしょうか」と、笑顔で堂々と大声でしゃべってみた。しゃべりながら、自分は デタラメなことを言ってしまって、恥ずかしかった。不思議なぐらい、かまずに、スムーズにしゃべれた。時間稼ぎのために、変なことを言ってしまったけれど、誰かに「間違っているよ」などと言われたら、どうしようかと思った。

PTA会長をくじ引きで決めさせる前に、長時間拘束して、疲れさせて、お腹をすかせて、イライラさせて、思考力を低下させる。なんて頭がいい。これを考えついた人は、この4人ではない。バックにいる人は、頭がいいと思う。

先生はPTA会費を払っていないからPTAではないし、事務員・用務員・スクールカウンセラーなんて、まったくの部外者。

私がしゃべり終わった後、みんなは「そうよね」「そうよね」「そうよね」と、しゃべりだした。「PTA会長のいない学校もあるし」と言ってくれた人は、私がデタラメを言ったのを気がついたんだと思う。

前年度のPTA会長は「それだったら自分がやる。会長挨拶とP小連(PTA小学校連合会)にしか出ない。それ以外はやらない。会議にも出ない。どうせ、PTAなんて責任のある仕事をしていないし、自分たちは単なる保護者だし…」などと言って、2度目のPTA会長になった。

PTA会長のバックにいる人に、どのような洗脳をされたかは知らない。サラリーマンは、お金の知識がない人が多いので、洗脳する人や脅す人の正体を説明しても、ピンとこない人が多い。

PTAのバックには、暴力団マルチ商法・詐欺師・宗教・保険・ピアノ教室の経営者など、いろいろな人たちがいる。PTA役員が手伝っていた体操着の販売も、その利益は暴力団に流れていた。

 

さっさと家に帰りたかったから、黒板に「副会長4名、書記4名、会計4名」と書いて、「やりたいところに名前を書いてくださいね。人数が多かったら、ジャンケンで決めてください。」と言ったら、5分以内に役員が決まった。私は書記になった。

残念ながら、長時間イライラさせられたので、みんなギスギスしていた。その怒りを、私にぶつける人までいた。八つ当たりのようなことを言ってくる人もいた。

この後、グループに分かれて、仕事の説明会になった。前年度の書記さんが、去年の書類を見せてくれたけれど、電話帳のように分厚かった。生徒に配っているプリントも100枚ぐらい ありそうだった。「毎週、生徒に配っているの? ばかじゃないの」と、言いたくなった。内容をさらっと見たけれど、学校が配っているプリントと内容がほとんど同じなので、プリントを作る必要がないと思った。毎日、うちの子供たちが、どうでもいいプリントをたくさん持って帰ってきていたのには、うんざりしていた。

前年度の書記さんは、去年と同じ量の仕事を今年もさせる気まんまんだった。それで、「事務員に仕事を頼む仕事をしますね」と言ったら、「それだけはやめて下さい」と、前年度の書記さんに言われた。

書記の仕事内容を聞いてみると、書記の仕事を減らすのは簡単だった。過去の記録があるので、書類を残す必要はないし、プリントも配る必要もない。

今回のPTAは、とうとう この1回しか出なかった。

 

市役所と校長先生に、PTA会長を「くじ引き」で決められそうになったことを報告した。

私がPTAに出られなくても迷惑が かからないように、PTAの書記の仕事も減らすことにした。

「学校・先生・PTAの書記・PTAの広報が、それぞれ同じ内容のプリントを配って、プリントの量が多くて迷惑です。重要書類を見落としそうです。」と書いたら、副校長先生が携帯メールをすることになって、学校のプリントしか配らなくなった。先生たちの残業も減った。

せっかくPTAの仕事が減っても、増やす人が出てくるので、校長先生に、サークルをたくさん作ってもらうように頼んでみた。学校施設の利用は、PTAでは認められないけれど、サークルなら認めることにしたら、たくさんのサークルが作られた。

先生たちにも、PTA役員に仕事を頼むのではなく、やりたがっている保護者に仕事を頼むことにしてもらった。

PTAには行かなかったけれど、アドバイスのメールを送った。

「青少年対策委員会に『掃除に6人出してください』と言われたら、『その日は会議があったと思います』と言って、仕事を引き受けないでください。」「それはPTA三役の仕事ではありません。会長がやりたがっているだけです。」

 

学校には、個人面談ぐらいしか行かなかった。子供の運動会も見に行かなかったら、後日、担任の先生に「なんで運動会に来なかったんですか。PTA役員の皆さんが鈴木さんのことを探していたのに」と言われた。まるで、PTA役員の仕事をサボったと責められているみたいなことも言われた。

「私は歯医者に行ったので行きませんでしたけれど、夫が運動会に行きました。運動会には欠席をすると副会長にメールをしました。メールを受け取った人が、他の人に報告しなかっただけです。運動会での仕事も割り振られていません。」と説明したら、先生も納得してくれた。

息子には「別に運動会なんて来なくていい…」などと言われていたし、息子が科学館に行きたがったので、運動会には行かないで、その分 家事を終わらせて、運動会の次の日に、息子と科学館に行った。

 

自分だけPTAを休んで、申し訳がないので、人を支配するのが好きな人ではなく、性格のいい人にメールをしてみた。

「PTA役員がPTAの仕事をしなくても、先生・生徒・事務員・用務員・お年寄りのボランティア団体・町内会などが代わりにやってくれるから、PTAを休んでも大丈夫ですよ」と、メールを送った。

このメールで、ほとんどのPTA役員が、PTAに出るのをやめてしまった。PTAの仕事をする人がいなくなって、PTAの仕事は、ほとんどなくなってしまった。

PTAは、PTA会室で、毎日集まって、お茶をする会になった。無理をする人がいなくなったので、一気に、明るく楽しそうな雰囲気の学校に変わった。

次の年からは、PTA会長が簡単に決まるようになった。

 

PTA役員になっても、PTAを積極的に無視する人が増えれば増えるほど、PTAの仕事が減って、PTAの楽な学校になる。

口げんかで勝てる自信のない人は、自分のことを「うさぎ」だと思って、逃げたり隠れたりしよう。

 

ご参考になれば幸いです。