女は大学に行くな! 行かせるな!…その2、就職氷河期
就職氷河期の女子大生の就活は悲惨だった。
2005年、長女が8歳の時、子供を大学に行かせるのをやめようと思った。
就職氷河期の4大卒の就職率は、文部科学省の統計より、2000年〜2005年は 男女ともに50%台だった。
自分のまわりにいた女子学生が悲惨すぎて、子供を大学に行かせたくたくなくなった。当時、子供の英語の勉強のために、キリスト教の教会に通っていて、そこには、美人で英語のペラペラな大学生が何人もいた。しかし、あまりに就職先がひどくて、びっくりした。
例1) 地域で1番の高校を卒業して、それなりの大学に通っていた女の子が、介護職に就職したのには、がっかりした。美人で、こんなにスペックの高い人が、介護職だと聞いた時は、冗談かと思った。
例2) 他にもスペックの高い女の子がいて、たぶん就職に失敗したんだと思う。政治・経済の逐次通訳ができるレベルの女の子が、学童の先生をしていた。
例3) 大卒より専門卒の方が就職しやすいという逆転現象があり、大学を中退して専門に再入学する者が続出した。私の知り合いの娘さんも、大学を卒業した後、美容師専門学校に2年も通ったので、親は、大学と専門学校の学費で苦労していた。特別な能力がある場合は別だけれど、女性が25歳で新入社員は厳しい。就職できたかは知らない。
この超氷河期に、高専では、生徒1人に30社以上の募集があり、それも、大学院卒でないと入れない一流企業からの求人もあった。それに、高専での成績が良ければ、試験を受けなくても、推薦で国立大学の3年生に編入ができる。
これは、ぜひ子供たちを高専に通わせようと思った。
統計を見ると、氷河期でも、偏差値40台の商業高校や工業高校の就職は、それほど悪くなかった。フリーター・ニート・フリーランスになる割合も低かった。逆に、大卒の方が、フリーター・ニート・フリーランスになる割合が高かった。
リーマンショック時は、大卒より高卒の方が就職率が高かった。
商業高校や工業高校は、成績が良ければ大企業にも入れる。高卒で大企業と大卒で中小企業では、高卒で大企業の方が生涯年収は上になる。
商業高校や工業高校などは、求人が多く、私の住んでいる地域では、就職希望者の多い普通高校の3倍以上の求人があると言われている。
高卒で就職する場合、進学校からの就職は不利になる。求人もなく、協力してくれる先生も少ない。就職相談はないし、就職面接の練習も学校でやってくれない。進学校では、大学に進学しないと、先生たちに、冷たい態度を取られる。
大学に進学する場合は、中高一貫校に行かないと、大学受験の勉強が間に合わないので、浪人するか、偏差値の低い大学に入るようになる。逆に、高専、商業高校、工業高校に行く予定だったら、中高一貫校に行くべきではない。
途中でルートを変えると苦労するので、子供の適性や能力を考えて、子供が小学校の高学年になる前に、将来どのような職業に就くとか、高卒か大卒か、ある程度、方向性を考える必要がある。
友達と遊ぶのも、ゲームやアニメなども我慢し、必死に勉強して、大学に入ったにもかかわらず、就職氷河期の時は大卒内定率5割台。
氷河期、震災後、リーマンショック後、コロナによる不景気など、何かあれば、就活が悲惨な状態になる。勉強して、いい大学に入れば将来が約束される時代は終わった。
… 就職…… 進学……その他(フリーター等)
大学卒…… 2000年… 55.8%… 10.7%… 33.5%
2005年… 59.7%… 14.2%… 26.1%
普通高校… 2000年… 8.8%… 76.7%… 14.5%
2005年… 7.8%… 85.4%… 6.8%
商業高校… 2000年… 45.2%… 36.5%… 18.3%
2005年… 49.8%… 43.4%… 6.8%
工業高校… 2000年… 43.0%… 45.4%… 11.6%
2005年… 50.6%… 44.0%… 5.4%
氷河期では、大卒の就職と進学が7割、フリーター・ニート・フリーランスは3割。
氷河期の大卒のフリーター・ニート・フリーランスになる割合(33.5%、26.1%)は高く、高卒(5.4%〜18.3%)は低い。
大学生の就活は、平均25〜30社、エントリーしているので、「女子採用なし」の会社にエントリーしたら、その分、時間とお金が無駄になる。ただでさえ、女性は男性より就活が不利なのに。
昔は、「女子採用なし」と本当のことを言ってくれたので、分かりやすかった。今は、採用担当者が、女性を採用できない理由や会社の状況を説明したら、「女性差別」と非難される。親切にしたら、ひどい目にあう。だから、本当の不採用の理由を言ってくれなくなった。本当のことを言ってくれたら、次につなげることができるのに。残念。
大卒1人に内定2.25社。内定ゼロの人も かなりいる。採用担当者は大変だと思う。内定を出しすぎると採用枠を超えてしまうし、内定辞退者が多くなると、再度募集しなくてはいけない。判断が難しい。
「他社の内定を断ったら、うちの会社の内定を出ます。」と、最終面接の次の日、こっそり電話をする会社もある。
企業の採用担当者は、40歳以上が多く、その世代の人たちが若い頃は、女子の大卒は、勤めてもせいぜい3・4年で、せっかく一人前になったときに、結婚や出産で会社辞める人が多かった。
商業高校卒は、パソコンは使えるし、簿記の知識もある。安く長く働いてもらえて、若いから物覚えが良く、結婚はまだ先なので、仕事の集中力が違う。社内に若くて可愛い子が1人でもいたら、男性社員のモチベーションは上がるし、売り上げも上がる。
高校生の就活は、「1人1社づつしか受けられない」「学校の先生経由でしか就活ができない」「内定辞退はできない」という縛りがある。
7月1日に企業が学校に求人票を提出
高三の夏休みに会社見学
9月5日から、応募書類の提出
9月中旬、選考・内定
10月・11月から、2社応募可能
例えば、偏差値60の人が、偏差値40台の商業高校に入ったら、トップを取りやすい。クラス委員、生徒会役員などの経験も積める。偏差値の低い学校の勉強は簡単で、その分、簿記や情報処理などの資格の勉強もできる。
横浜市長の林文子のように、高卒で、結婚、出産、子育てを先に終わらせて、子供が大きくなってから、キャリアを積むという方法は、良いモデルケースだと思う。セールスは実力主義なので、ヘッドハンティングされ、ダイエーの社長まで出世し、現在、横浜市長。
女の子が大学に行って就職するよりも、高卒で就職した方が、良い会社に入れるケースがたくさんある。だったら、大学に行かないで、高卒で就職したほうがいいと思う。
それで、うちの子供たちは、大学に行かないで就職した。
ご参考になれば幸いです。