中卒で、年収1000万円以上の職人をめざす。

自分の息子を中卒にしてしまった。

本当は、大学に進学して、それなりの会社で働いてもらいたかった。

息子は、コミニケーション能力が低いので、口よりも手や体を動かす職業が向いていると思う。

たぶん、結婚する時は、苦労するかもしれない。男が低学歴になると、結婚が難しくなる。本人同士は良くても、親が反対する。

でも、年収500万円以上の職人になったら、それなりに結婚できると思う。

 

職人の人数がどんどん減っていってるので、近い将来、職人にとって、バブルが来る。

職人になるには、技術と知識を習得するのに、何年も修行が必要で、簡単に腕の良い職人にはなれない。

職人の数が減れば減るほど、職人の収入が上がっていくことだろう。

早めに修行をすれば、それだけたくさんの技術と知識が身に付くので、中卒で職人になるのは正解だと思う。

 

息子は、ネットを見ながら、圧力計をつけた水鉄砲を作ったり、開発者に向いているけれど、学力が足りなかった。

息子が中学3年生の時、進路に悩んだ。

高専に入るには、理科と数学は大丈夫だけれど、国語と英語の成績が悪くて、絶対に無理だった。

工業高校の説明会に行ったら、「息子さんはうちの学校には向きません。大変苦労することになります。」と、工業高校の先生に言われた。近所の工業高校は軍隊のようだった。高い協調性を要求される学校だった。あそこまで、しつけられれば、どこでも通用すると思う。

学校説明会では、偏差値の高い高校ほど、ラフな格好している中学生が多く、偏差値の低い高校ほど、しっかりと制服を着ている中学生が多かった。

高校見学で、高専や一流高校では、サンダルや半ズボンの中学生が何人もいた。工業高校や三流高校では、中学生はみんな革靴を履いてネクタイをしていた。

かなり高校見学をしたけれど、ピンとくる高校は ほとんどなかった。

 

どうしようかと悩んでいるときに、業界トップクラスの腕のいい職人が「弟子にしてもいい」と言ってくれたので、息子は高校に進学をするのをやめてしまった。

娘(息子の姉)が「高校など行かないで、中卒で職人になったら」「職人になるんだったら、高校に行く意味がない」などと言って、私も説得されてしまった。

私は大家業をしていて、ちょうど、息子が中学3年生の11月に賃借人が引っ越したので、賃貸物件をリフォームすることになった。

「弟子にしてもいい」と言われていたので、息子は、中学3年生の大事な時期だったけれど学校を休んで、リフォームの手伝いに来た。大勢の職人さん達の作業を手伝っている息子は楽しそうだった。

中学3年の12月から中学に行くのをやめて、家で簿記とそろばんの勉強をして、3ヶ月後の中学3年の2月には簿記3級に合格した。中学の勉強をやめて、その分そろばんの練習をしたので、そろばんの段もとった。働きながら勉強して、日商簿記2級にも合格した。今は、YouTube第二種電気工事士の勉強もしている。

息子の年収は、税金を払う必要のない年収だったので、市役所の税理士無料相談で、税理士に「確定申告なんてしなくていい。」「いらない。」などと言われた。しかし、親方の経費の証明になるので、息子は確定申告をした。親方が税務調査で脱税扱いをされないように、書類はしっかりと作った。

残念ながら、ほとんどの職人は、簿記の知識がなくて、かなり損をしている。

 

職人は、この30年間、冬の時代だった。公共事業も住宅着工数もバブル時と比べて半分に減った。バブル後、急に仕事が減ったので、仕事にあぶれ、転職する職人も かなりいた。残った職人も、価格競争で、年収が下がった。

 

年々、腕の良い職人が減って、大家業を辞めたくなった。職人の半分が50歳以上で、腕の良い職人は60歳以上。60歳以下で、腕の良い職人は、本当に少なくなった。

60歳以下の職人は、学生の頃は不良少年だった人が多く、犯罪者だった人もかなりいる。外装の方が犯罪者だった人の割合が高く、内装は低い。建築現場は、ヤクザだった人が多く、自分の子供を職人にしたがる親は少なかった。

腕の良い順   70代>60代>50代>40代>30代>20代

20〜30年後の賃貸物件のメンテナンスは、どうしようかと悩んでいたけれど、息子が内装職人になってくれたので、安心して大家業が続けられるようになった。

 

息子の能力で、仕事が過酷ではなく、収入も良くて、これから何十年も続けられる仕事は、内装職人ぐらいしかなかった。

これから仕事のなくなる時代が来る。終身雇用という幸せな時代が終わった。

人間に仕事をさせるほうがお金がかかるようなら機械化される。人間のほうが安ければ、機械化されない。

技術の発展で安い産業ロボットなどが、どんどんと作られれば、工場の作業員などの仕事が、だんだんとなくなっていくかもしれない。

しかし、日本の家は個性的すぎるから、機械化が難しく、人間が修理しなくてはいけないので、建築関係の職人は、それなりに人数が必要になる。

以下のデータを見たときは、建築の人手不足のひどさには、びっくりした。

二級建築士が建てられる建物は、高さ13メートル以下なので、3階以上の建物を建てる場合は、一級建築士の資格が必要になる。一級建築士の65%が50歳以上で、50歳以下は35%しかいない。

20代     30代      40代      50代       60代     70代

1 %       11%       23%       26%       29%     10%

 

息子は手先が器用だと思う。あと数年したら、一流の職人になれるかもしれない。

しかし、一流の職人になったとしても、お客さんや元請けなど、お互いに誤解が生じたら、儲からなくなる。それで、最低限のコミュニケーション能力は鍛えている。

職人も、ある程度のコミニケーション能力は必要なので、毎日2ページ 本の写本をしたり、説明をする練習をしている。

 

※ご参考なれば幸いです。