年収1000万円以上の職人になるには

職人=貧乏だと思っている人が、かなりいると思う。

お金持ちの職人も、それなりにいる。

お金持ちの職人は、自分で客を見つけてきているので、下請け仕事はあまりしていない。

売上の50〜70%がリフォーム会社で、売上の30〜50%が職人の取り分なので、下請けの仕事は儲からない。

リフォーム100万円の仕事で、5日間働いたとする。

①下請けだったら、職人の利益は10万円

   客100万円 = リフォーム会社70万円 + 職人30万円(材料費20万円、利益10万円)

   職人の1日の稼ぎが、2万円

②直取引だったら、職人の利益は80万円

   客100万円 − 材料費20万円 = 利益80万円

   職人の1日の稼ぎが、16万円

直取引(じかとりひき)とは、仲買人を通さず、売り手と買い手とが直接行う取引のことをいう。

 

最近、古い家をリフォームした。

①リフォーム会社に頼んだら、安い材料で1000〜1500万円かかっていたかもしれない。

   取り分 : リフォーム会社は500〜1000万円、職人は500万円(材料費200万円、職人の儲け300万円)

②職人に直接頼んだら、高い材料で700万円だった。

  材料費300万円、職人の儲け400万円

リフォーム会社への費用が減った分、材料費と職人の手間賃を上げることができた。いちいち見積書を書かなかったので、仕事が早かった。

例えば、直さなくてはいけない家の不具合があった。直すのに、1万円。大工ではないと、なかなか気がつかない部分だった。リフォーム会社が仲介に入ると、いちいち見積もりを書き直して、お客さんに説明をしなくてはいけないので、仕事が増える。リフォーム会社の営業マンは、大工に「見なかったことにしてくれ」と言って、直さない事の方が多いようだ。

古い家は、ちょこちょこ不具合がたくさん見つかるので、いちいち見積もりなど書いていられない。もし、職人の知り合いがいなかったら、リフォームなどしないで、家の解体費用とゴミ代が 300万円で、家を取り壊して更地にして、土地を売った。

直接、直すか直さないか、職人に指示ができないようなら、リフォームはしなかった。

あまりにも大工の腕が良すぎて、調子に乗ってリフォームをしすぎてしまった。家賃で、700万円を回収するのに、7年近くかかる。大家業としては、落第点だと思う。

大工「ここを直すとしたら、60万円かかりますけれど」…私「70万円かかってもいいので、良い材料を使ってください」

ウッドショックで木材の価格が2倍になり、安い材料を使おうとしたので、高くても良い材料を使うように頼んだ。木材の価格の変動が激しかったので、大雑把な値段で、どんどんリフォームをしてもらった。

腕の良い大工さんなら、技術料としてその分の費用を上乗せしてもいいし、確定申告に、見積もりは必要ないから、領収書だけ受け取った。

大体の値段がインターネットでわかるようになったので、大きく外れた値段でなければ、良いと思っている。

 

職人の知り合いがいない時は、ほんの些細なリフォームでも、大変苦労した。

①駐車場に車が入りやすいように、ブロック塀の撤去をリフォーム会社に発注した。職人は、リフォーム会社に言われた通りにしか仕事をしないので、もう少し削ってもらおうとしたら、「元請けに言って」と言われて、電話をかけた。電話ではダメで、直接リフォーム店に行って、説明し、後日、他の職人にやってもらうことになった。プラス2万円。

②リフォーム会社の営業マンの中には、どうでもいいような嘘をたくさん言う人がいる。わからないのなら「調べときますね」と言えばいいのに、でたらめなことを言われた。

③賃貸物件の塗装の見積もりを頼んだら、リフォーム店の担当社員が会社辞めるのに引き継ぎをちゃんとやらずに、勝手にキャンセルされてしまった。家の寸法を測ったり、現地調査までしたのに、3ヶ月間、連絡がなかった。再度、家の寸法測って見積もりを書いてくれたけれど、そのリフォーム会社に仕事を頼む気にはならなかった。

④あるリフォーム会社の営業マンは、他の家を見て、「あと3年は塗装の必要はありません」などと言ってきた。すぐに住所を間違えたんだと分かった。住所を間違えていることを説明して、塗装の見積もりを再度頼んだ。最初のデータ入力が間違っていたのなら、修正すればいいのに、何故か見積書を捏造してきた。辻褄を合わせるために、わざわざ、屋根の写真をぼかしたり、外壁もきれいなところしか写真を撮らなかった。上司に怒られるのが怖かったからって、捏造するのは馬鹿すぎる。会社の不利益になる行動をとった営業マンはクビかもしれないけれど、面倒なので、わざわざ、その上司には報告しなかった。でも、面白い内容なので「捏造された」と大勢の人に言い回ってしまった。

私は、職人さんと知り合いになりたかったけれど、なかなか知り合いになれなかった。リフォーム店の客と職人が、知り合うのは難しかった。リフォーム店からすると、客を職人に取られたくないから厳しくしている。客には、不都合な情報を知られたくないし、職人には、リフォーム代がいくらだとか知られたくないから、客と職人が、リフォーム会社の社員のいないところで、直接会話をするのはマナー違反とされている。職人は次の仕事がもらえなくなると困るので、ルールに従っている。

 

職人に直接仕事を頼みたいと思っている人はかなりいる。だから、直接お客を見つけることができる職人は、お金持ちになりやすい。しかし、残念ながら、下請け仕事しかしていない職人は、腕が良くても、なかなかお金持ちになるのは難しい。

特に、ゴルフ、自動車、自転車、釣り、音楽など、お金のかかる趣味のある人は、お金持ちと知り合いになりやすいので、お金持ちになりやすい。具体例を3つ出す。

①知り合いの紹介で知り合ったクロス職人60代は、雑で上手ではなかった。しかし、下請けの仕事をほとんどしなかったので、1億円の家を5年で返済したり、子供4人を私立大学に入学させることができた。

②親戚の友人の内装業者70代は、夫婦2人で仕事をしている。1億円の家に住んでいて、子供は私立大学卒の医者。夫は無口で、妻はブランド好き。

③塗装職人60代は、高級住宅地で大きな注文住宅に住んでいる。塗装職人の腕の差は素人には分かりにくい。塗装職人の募集はいつでもしているので、塗装職人には簡単になれる。遊び歩く、イコール、営業活動だと思う。趣味で、友達が大勢いる。

 

自営業者は、サラリーマンと違って、毎月同じ日に給料が振り込まれないので、貯金をしている人が多い。お金をある程度、貯金できるまで使えないので、貧乏人に見えるかもしれない。リフォーム会社の計画倒産や、ウッドショックなど、お金の入ってこない出来事があるので、サラリーマンのようなお金の使い方はできない。

大工が、私の親戚の賃貸物件を借りている。親戚によると、大工の通帳に3000万円以上の貯金があって、家を現金で購入できるけれど、運転資金を減らしたくないから、賃貸に住んでいるそうだ。賃貸は経費にできるので、その分、税金が安くなるなどと説明してもらった

 

職人のイメージが悪すぎて、職人になろうとする人がいないので、若い職人がほとんどいない。職人不足で、下請けをしている職人でも、職人の収入がどんどん上がっている。

家は古くなったらメンテナンスが必要になるので、職人は絶対に必要で、さらに、日本の家は個性的な家が多すぎて、機械化が難しく、それなりに職人の数が必要になる。

10年後は、職人は、高収入の仕事にランクインしているかもしれない。

学校の勉強ができない人にとっては、職人は、オススメの職業だと思う。

 

*ご参考になれば幸いです。