これからは職人不足になり、一流の職人は高所得者になる時代が来る。 見習い職人は、失敗回避のため、コミニケーション能力を鍛えるのにWワークとしてコンビニで働く。

近年、「AI (人工知能)によって仕事がなくなる」という話をよく聞く。

私には、子供が3人いて、娘2人は、コミニケーション能力が高く、勉強もできるので、進学や就職にあまり悩まなかった。しかし、息子は、コミニケーション能力が低く、あまり勉強ができないので、将来のことに かなり悩んだ。悩んで悩んで、やっと、職人になるという道を見つけた。

建設業界のように、危険で きつい仕事は、人材不足を解消するために、AIの導入が進められているが、職人仕事は、機械化が難しく、それなりの人数が必要とされている。

30年前の建築・建設業は、給料が高かった。しかし、平成4年と比べて、公共事業や新築着工件数が半分に減り、小さくなったパイを奪い合ったので、ダンピングをして、どんどん収入が減った。

平成4年…  建設投資額 84兆円…建設業就業者数 619万人 ≒ 600万人

平成22年…建設投資額 42兆円…建設業就業者数 498万人 ≒ 500万人

この数値を見るまで、具体的にどのぐらい大変なことか分からなかった。仕事が半分に減ったのに、建設業の就業者数が600万人から500万人に減っただけなので、過当競争になり、価格が引き下げられて、貧乏になる人が増えた。建築・建設業が馬鹿にされている理由が、少し分かった気がする。もし、お金持ちなら、馬鹿にする人がいないと思う。

建築・建設業界の「若者離れ」は、若者に人気がないから、若者が少ないのかと思っていたら、人員過剰で若者の採用が少なくなり、過当競争で収入も減ったので、若者に就かせたくない職業になったからだった。友人の旦那さんは、工事現場で働きたかったけれど、収入が低すぎるので親に反対され、警察官になった。考えてみると、工事現場で働きたい男の子や大工になりたい男の子は、何人も見たことがあった。

30年近く、建築・建設業は不遇な時代だったので、後進を育てる余裕がなくなり、建設業就業者数は、55歳以上が約34%、29歳以下が約11%と、高齢化が進行し、次世代への技術承継が難しくなった。

職人(建築業に従事する技能労働者)は、 60歳以上が81万人で、全体の4分の1を占めていて、30歳以下は、全体の1割程度しかいない。

今の時代、仕事があっても職人がいないので、職人不足で人件費が高騰している。

高齢で仕事を辞める職人が増えて、家のメンテナンスをしてくれる腕の良い職人を見つけるのが難しくなり、支払う額も増えたので、だんだん不動産賃貸業で儲けるのは難しくなった。

たまたま、50代の腕の良い職人が、息子を弟子にしてもいいと言ってくれたので、さっさと中卒で職人になった。高校を卒業した後だと、そのチャンスを逃したかもしれないし、高齢のために仕事を辞めていく職人の技を近くで見れるチャンスも減ったかもしれない。高校を出てから職人になるよりも、3年分、多くの職人を見ることができた。分野が違う職人も、やらせてはくれないけれど、息子にいろいろと教えてくれている。

うちの息子は、コミニケーション能力がなく、勉強もできないけれど、手先が器用だと思う。

手先が器用になるように、小学生の頃は、家で頻繁に工作をさせたり、毎週、大学のイベントや科学館などに行って、工作をさせた。

腕のいい職人に職人技を教わっているので、息子は職人としたら、上手な方だと思う。私の賃貸物件のリフォームの仕上がりも綺麗だった。

5段階評価で、夫が「1」、私が「2」、私の父は「4」、息子は「4」、親方は「5」くらいだと思う。「5」をつけられる職人が年々減って、「2〜3」の素人に近い、へたくそな職人が増えた。

私の父は百姓の子供だった。百姓とは、農民のことを指すのではなく、百姓とは、100個の仕事をこなせる人のことだと言われている。幼児の時から、草むしり、家畜の世話、ワラジを作ったり、いろいろな仕事をしてきた。それで、父のような一般人でも、かなりの大工仕事ができた。その中で、特に上手な人が大工になったので、昔の大工の技術はすごかった。

残念ながら、職人の腕は、年々下がっている。

職人のレベル… 80代>70代>60代>50代>40代>30代>20代

年々、腕の良い職人が減って、10年後は腕の良い職人は、かなり少なくなるので、息子が見習い期間が終わった後は、年収1000万円以上は夢ではない。

職人は、コミュニケーション能力が低く、学校の勉強のできない子供には、お勧めの職業かもしれない。

でも、必要最低限のコミュニケーション能力は鍛えた方がいいと思う。

コミニケーション能力を3段階に分けると、

1段階、聞き取る能力

2段階、報告・連絡・相談できる能力

3段階、雑談できる能力

営業では、かなり高度なコミニケーション能力が必要だけれど、職人は、最低限、聞き取る能力と、報告・連絡・相談できる能力が必要で、雑談できるレベルまでは求められていない。

職人は、黙々と仕事をするので、現場での会話は少ない。リフォーム客も職人も、若い人がいないので、世代間ギャップで会話が難しい。会話の少ないところで仕事をしていると、会話をする能力が落ちて、どんどんしゃべれなくなる。会話の反応も遅くなる。反応が遅いと、無視されたと勘違いをされるので、会話には速さが必要になる。

毎日、本を2ページ写本をさせて読ませているけれど、それだけでは不十分だった。コミニケーション能力がないせいで、かなり失敗をしてしまった。

それで、Wワークとしてコンビニでアルバイトをすることにした。

マニアルのある職場で働くのは、スキルアップには都合がいいと思う。最低限マニュアル通りにしゃべれれば、それなりに仕事ができるようになるし、失敗の回避の方法やクレーム対応の方法だとか、身に付けておいた方が良いスキルもたくさんある。

コンビニバイトで、客に理不尽な要求をされたときのかわし方など、正しいクレーム対処法を覚えたら、独立した時、本業で活かせる。

息子は、本番で失敗しないように、屋根裏部屋で、毎日のように、余った材料でフローリングを貼る練習や柄のクロスを張る練習をしている。第二種電気工事士の資格を取るために、YouTubeを見ながら、工作キットでの練習もしている。

息子は、将来一流の職人になるように努力をしている。

*低学歴で、コミュニケーション能力がなくても、高所得者になる道を書いてみました。ご参考になれば幸いです。