PTA役員1人で、校長に提案書を提出して、学校給食を美味しくした。数は力ではない、経営者側の立場で考えると成功する。

  私は今、自営業(大家さん)をしています。サラリーマンの人たちは、経営者側のことを誤解しているようなので、その説明をします。

  引っ越して来て、給食のまずい学校に子供が通うことになりました。問題解決の方法があまりにも簡単なのに、誰もやる人がいないので、周りの人の様子を調べてみました。近所のおじいさんやおばあさんたち20人に、まずい学校給食や、校長先生に提案書を出すことを説明してみましたら、絶対に集団でやらなくてはいけない、危険だと、みんなから言われました。「PTA会長と相談をして、PTA役員を大勢集めて集団で行かなくてはいけない。危ない。」などと言われました。

  校長先生は人格者が多く、嫌がらせはしません。担任の先生が子供をいじめることは、まれに、あるかもしれませんが、校長先生が子供をいじめる事はしません。何が危ないのか知りませんが、サラリーマンだった人やサラリーマンの妻だった人は、数は力で、集団で行動しないと危険だと思っているようです。集団で来られても、できないものはできませんし、1人でも、簡単に実現できるものは採用します。集団で来られるのは迷惑で、集団に圧力をかけられるのは気分の悪いものです。日本は、ヨーロッパと違って、経営者は下の人の意見を聞きます。

  1人で行動するメリットは、試行錯誤しながら行動でき、自由に微調整ができます。1人で失敗する事は大したことがないけれど、集団で行動して失敗した場合がめんどうです。大して責任もないことなのに責任責任と、うるさいことを言う人もいて、人が多くなればなるほど、自分の思い通りに物事を進めることが難しくなります。集団で行動すると、他の人はどう思っているのか、気にしなくてはいけないので、問題解決にだけに集中したい場合は、1人でやったほうが楽です。

  自分が校長先生だったら、どうするかということを考えて提案をします。「〇〇という問題があります。」と言うよりも、「〇〇という問題があるので〇〇してもらえませんか。」と言ったほうが、行動してもらえます。

  私の父は経営者をしていて、従業員からも好かれていました。常に、従業員と会話をして、未然に問題が解決できるように、気を遣っていました。パートさんを大勢雇っていて、家に帰って家事をするのに疲れない程度の仕事量で、カルチャースクールに行くよりも楽しそうな職場でした。楽しそうなところに人が集まるので、儲かっていました。最低賃金法が改正されてパート代を値上げすると赤字になるから、ちょっと無理をして働いてもらわないといけなくなり、そこまで無理をしたくないので、従業員を雇うのをやめてしまいました。無理に働いてもらうと、楽しそうな雰囲気がなくなって、お客さんが来なくなり、儲からなくなります。父は他の儲かる仕事だけを一人ですることにしました。

  経営者は世の中の変化に柔軟です。校長先生は経営者側で、校長先生も社会の変化に柔軟に対応しようとしています。「どうしたらいいのか、教えてもらいたい。」などと言う校長先生もいました。学校がよくなる提案で、簡単に実行できるものは、すぐに行動してくれます。

  「給食がおいしい学校の給食レシピを参考にして給食を作り、外部のプロに味付けをチェックしてもらってください。」という提案書を副校長先生に渡して、2日後には給食が美味しくなって、給食廃棄率が下がりました。この程度の提案のどこが危ないのか分かりませんけれど、近所のお年寄り20人に見せたら、全員に「危ない」と、言われてしまいました。

  副校長先生や担任の先生ぐらいだと、子供を人質に取っているという態度をする人がわずかですが、いるかもしれません。校長先生や市役所の教員人事では、そのような人はいません。子供を人質に取っているという態度をした先生がいましたら、校長先生や市役所に報告すればいいので、提案書を出す事は危険ではありません。

  ところで、公務員と一般人のコミニュケーションはかなり違っています。公務員の言葉は重く、公務員と一般人の言葉にはズレがあります。公務員は「やります」という言葉を使わないで「検討します」という言葉を使います。一般人にとっては逃げの言葉だと勘違いします。状況を調べてみるとそのやり方は良くない方法で、他のいい方法があるのに、「やります」と言ったら、その良くない方法でやらなくてはいけなくなるので、公務員はやりますと言ってはいけません。公務員にとっては「検討します」と言う言葉を使うのが正しいのです。それ知らなくて、むっとしたことがありました。

  それから、役所は新人が電話に出て客対応をします。奥にいる人が偉い人です。新人や若手は権限がないので、単なる窓口です。提案書は係長クラスに渡るようにしてください。「読んでくれるだけでいいので読んでください。」という態度で渡して下さい。凄いスピードで読んでくれて、提案書の内容にふさわしい担当部署に渡してくれます。できないものはできませんし、できる事はすぐにやってくれます。自分としたら、思ったよりも動いてもらえました。

PTA役員や担任の先生に相談すると、危険な場合もありますが、1番安全なのは役所です。

皆さんも、ぜひ、やってみてください。