PTAが体操着と防災頭巾を販売している。副校長に報告したら、PTAが手伝っていた業者の販売をやめさせてもらって、PTAの仕事が減った。体操着と防災頭巾も安くなった。

  運の悪いことに、PTAの楽な地域から、PTAの厳しい地域に引越してしまった。春休みの学校で、PTAが体操着と防災頭巾を販売してる。業者ではなく、あきらかにPTA役員が10名以上。業者っぽい人はいない。何でこんなに大勢の人が手伝っているんだろう?こんなに人数はいらない。それよりも、何でPTAが業者の販売の手伝いをしているんだろう?ありえない。まさか、校長先生か誰かがリベートをもらっていたりして。この学校、とんでもない。

  しばらくして、PTA役員を今まで一度もやったことがなくて、子供が高学年だったので、いつの間にか、PTA役員になってしまった。何かよく分からない会議に出席させられている。まさか、夜に会議があるとは思ってもいなかった。夕食をゆっくり食べたかった。まだ、小さい子供も家にいるので、夜は外出したくなかった。この会議の後、家に帰って家事をしなくてはいけないと思うと憂鬱だ。隣に副校長先生が座っているから、ちょっとおしゃべりをしてみよう。

「はじめまして、副会長の鈴木です。突然ですが、副校長先生にお話しがあります。うちの小学校はPTA役員に体操着や防災頭巾を販売させているんですけれど、校長先生たちがリベートをもらっていると勘違いされたら損だと思います。引越す前の学校は、oo市のoo小学校で、小泉政権の公務員の倫理規定の強化のために、学校内で体操着などの販売をやめました。学校内に業者が入ることすら禁止しました。春休みに、うちの学校でPTA役員が体操着を売っているのを見て、贈収賄かとびっくりしました。」「PTAが業者の販売の手伝いをしている学校なんて聞いたことがあリません。調べてみてもいいですか?」「はい、ぜひ調べてみてください。」

  副校長先生がPTA会長に、「PTAが体操着の販売を手伝っているって本当ですか。」と質問して、PTA会長は、「はい、PTA役員は手伝わさせていただいています。」と美しい言葉で質問に答えていた。

  これで、またPTAの仕事が減った。体操着や防災頭巾は近所のディスカウント店で購入できるようになって、値段は半分以下になった。

  ついでに、「この会議もいりませんよね。」などと言ってみたら、この会議もなくなってしまった。権限のないPTA会長に言ってもしかたがないので、校長先生に言ってみたら、すんなりなくなってしまった。めでたし、めでたし。もしかしたら、校長先生たちも、この会議はいらないと思っていたのかもしれない。

ご参考になれば幸いです。